HISTORY OF IM@S WORLD

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アイドルマスターの歴史を様々なデータで振り返る

【ライブレポート】センターを務めることの重大さに気付かされた『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!! 宮城公演』

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イベント詳細

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR
Serendipity Parade!!! 宮城公演

開催日:2017/05/14
     開場15:00 開演16:00
会 場:セキスイハイムスーパーアリーナ(宮城県)
料 金:8,700円
出演者:
五十嵐裕美(双葉杏役)、上坂すみれ(アナスタシア役)、桜咲千依(白坂小梅役)、大空直美(緒方智絵里役)、金子真由美(藤本里奈役)、佐藤亜美菜(橘ありす役)、鈴木絵理(堀裕子役)、伊達朱里紗(難波笑美役)、千菅春香(松永涼役)、東山奈央(川島瑞樹役)、のぐちゆり(及川雫役)、松嵜麗(諸星きらり役)、三宅麻理恵(安部菜々役)、杜野まこ(姫川友紀役)、朝井彩加(早坂美玲役)


 ・出演者感想まとめ


アリーナ席スタンド席関係なく本人確認を実施

  東北新幹線で東京駅から仙台駅へ。仙台はあいにくの雨模様。開演までの時間でいろんな場所へ行ってみようと、レンタサイクルの利用を考えていたのですがやめておきました。仕方なく電車で移動。仙台駅から岩切駅で乗り換えて利府駅へ。車両数が少ないため、満員の車内。この状況に帰りのことが心配になりました。さて、この利府駅から会場までが徒歩40分ほど。バスでも良かったのですが、知らない土地を散歩するのも一考だと、せっかくなので歩いていくことに。始めのうちは商業施設が周りに見られたものの、進んでいくうちに田舎道へ突入。スマホの案内通りに進んでいくと、舗装されていない道へと誘導される始末。これはダメだと、地図を頼りに自力で進むことに。もう少し何とかならなかったのかという入り組んだ道を進んでいった先に会場がありました。

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 開演20分前に会場に到着。急いで会場限定CDを購入してから入場口へ。自分の席はスタンド席だったのですが、アリーナ席だけかと思っていた本人確認が行われていました。あわててカバンから運転免許証を取り出し提出。問題なく入場することができました。CDリリースイベントやシークレットイベント以外で本人確認されるのはこれが初めて。運転免許証を忘れていたらどうなっていたのやら。

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 ステージにはお城をモチーフとした巨大なセットが。扉型の大型モニターが中央に3台。その横に湾曲した細長い演出専用モニターが2台。両端にはサブモニター2台。いつもながらにシンデレラのセットは頑張っていらっしゃる。ステージがとても高く組まれていまして、アリーナ最前列からステージまでが視界の関係でかなり離れていました。最前列の方は少し遠いなと思ってしまったでしょうが、後方からでもステージの様子が確認できたのではないでしょうか。かくいう自分はスタンド席後方。双眼鏡を利用してステージの様子を遠くから眺めていました。


セットリスト(全24曲)

 M01:Shine!! 披露数:9回目
   ANIMATION PROJECT 2nd 01(15/08/05)より
   作詞:森由里子
   作曲・編曲:滝澤俊輔

   歌:出演者全員

M02:にょわにょわーるど☆ 披露数:2回目
   STARLIGHT MASTER 07(16/12/07)より

   作詞:夕野ヨシミ
   作曲・編曲:ARM

   歌:松嵜麗

M03:cherry*merry*cherry 披露数:2回目
   STARLIGHT MASTER 07(16/12/07)より
   作詞:坂井竜二
   作曲・編曲:山崎真吾

   歌:大空直美

M04:スローライフ・ファンタジー 披露数:2回目
   STARLIGHT MASTER 08(17/02/01)より
   作詞:八城雄太
   作曲・編曲:田中秀和

   歌:五十嵐裕美

M05:Flip Flop 披露数:3回目 
   STARLIGHT MASTER 10(17/04/19)より
   作詞・作曲・編曲:ミト

   歌:鈴木、のぐち、松嵜

M06:Angel Breeze 披露数:4回目
   CINDERELLA MASTER 014(13/01/23)より
   作詞:高瀬愛虹
   作曲・編曲:百引一

   歌:東山奈央

M07:たくさん! 披露数:2回目
   STARLIGHT MASTER 10(17/04/19)より
   作詞・作曲・編曲:佐伯youthK

   歌:上坂すみれ

M08:ミラクルテレパシー 披露数:5回目
   CINDERELLA MASTER 030(14/04/30)より
   作詞・作曲・編曲:日暮裕紀
   歌:鈴木、金子、杜野

M09:Nocturne 披露数:4回目
   STARLIGHT MASTER 14(17/11/08)より
   作詞・作曲・編曲:AJURIKA
   歌:東山、上坂、千菅

M10:Orange Sapphire 披露数:12回目
   Passion Jewelries! 001(13/10/02)より
   作詞・作曲・編曲:Funta

   歌:鈴木、伊達、のぐち、松嵜、杜野

M11:Nation Blue 披露数:12回目
   Cool Jewelries! 001(13/09/25)より
   作詞・作曲・編曲:遠山明孝
   歌:上坂、桜咲、佐藤、千菅、東山

M12:キラッ!満開スマイル 披露数:2回目
   LITTLE STARS! キラッ!満開スマイル(17/04/26)より
   作詞・作曲・編曲:ササキトモコ
   歌:五十嵐、大空、金子、三宅、朝井

M13:BEYOND THE STARLIGHT 披露数:6回目
   STARLIGHT MASTER 08(17/02/01)より
   作詞:八城雄太
   作曲・編曲:石濱翔

   歌:出演者全員

M14:One Life 披露数:2回目
   CINDERERA MASTER 047(17/03/15)より
   作詞:ミズノゲンキ
   作曲:根本優樹
   編曲:R・O・N

   歌:千菅春香

M15:気持ちいいよね 一等賞! 披露数:5回目
   CINDERELLA MASTER 032(15/02/04)より
   作詞:Funta3
   作曲・編曲:Funta7

   歌:杜野まこ

M16:メルヘン∞メタモルフォーゼ! 披露数:2回目
   STARLIGHT MASTER 09(17/03/01)より
   作詞:八城雄太
   作曲・編曲:佐藤貴文

   歌:三宅麻理恵

M17:∀NSWER 披露数:2回目
   STARLIGHT MASTER 16(18/04/18)より
   作詞:ミズノゲンキ
   作曲・編曲:睦月周平

   歌:朝井、桜咲、佐藤

M18:あんきら!?狂騒曲 披露数:2回目
   STARLIGHT MASTER 11(17/05/31)より
   作詞・作曲・編曲:ヒゲドライバー
   歌:五十嵐、松嵜

M19:純情Midnight伝説 披露数:7回目
   STARLIGHT MASTER 05(16/08/31)より
   作詞:磯谷佳江
   作曲・編曲:小野貴光

   歌:千菅、金子、伊達、のぐち、三宅

M20:Lunatic Show 披露数:3回目
   STARLIGHT MASTER 12(17/08/09)より
   作詞:磯谷佳江
    作曲・編曲:IMAJO

   歌:桜咲、佐藤、杜野、朝井

M21:サマカニ!! 披露数:2回目
   STARLIGHT MASTER 07(16/12/07)より
   作詞・作曲・編曲:宮崎誠
   歌:東山、伊達、大空、鈴木、のぐち

M22:夢色ハーモニー 披露数:7回目
   ANIMATION PROJECT 2nd 02(15/09/23)より
   作詞:遠藤フビト
   作曲:内田哲也
   編曲:内田哲也、滝澤俊輔

   歌:出演者全員

E01:EVERMORE 披露数:5回目
   EVERMORE(17/02/08)より
   作詞:森由里子
   作曲:小野貴光
   編曲:玉木千尋

   歌:出演者全員

E02:お願い!シンデレラ 披露数:84回目
   お願い!シンデレラ(13/04/10)より
   作詞:marhy
   作曲・編曲:内田哲也

   歌:出演者全員


 ツアーイベントのタイトルが『Serendipity Parade!!』。オープニングの際にはそのパレードを再現。マーチングバンド風の赤を基調とした衣装を着たキャストが旗を持って行進する姿を観て、学校の体育祭の様な練習したのだろうなと練習光景が思い浮かびました。段差があるステージになっていまして、それぞれの升目に立ったキャストが旗を挿すという流れ。続いて1曲目の『Shine!!』へ。アイマスのダンスは基本的に複雑なフォーメーションダンスではないので、それぞれ同じような振りになるのですが、段差が違う場所にそれぞれ配置されていると、フォーメーションを組んでいなくても見栄えが良くなるのだと新発見でした。

 セットリストは初日と同様で、披露数が2回目となっているのが宮城公演で初披露曲。まだCDが発売されていないデレステの曲を含めて計10曲が初披露されました。『あんきら!?狂騒曲』については、フルバージョンが聴けた機会がローソンスペシャルイベントとデレパ公開録音イベントでしたので、この場で初めてフルを聴いた方が多かったことでしょう。表面上はリズム感が面白い曲でも、全編通して聴くことでガラッと印象が変化。五十嵐さんと松嵜さんが実際に歌うことでより一層、ストーリー性が加味されました。テンポが速い曲ですので、実際に歌い踊るのはとても大変そうではありましたが、杏ときらり、2人の関係性を1曲の間に目と耳で体感することができました。

 ライブイベント初出演となったのが、伊達さん、のぐちさん、朝井さんの3名。伊達さんは垢抜けた印象で、金子さんの隣はダレだろ?と双眼鏡で見ながら思ってしまいました。松嵜さんのアイデアで曲中にキャラ台詞が挿入。シンデレラで元気の良い関西弁が聞けたのは新鮮でした。のぐちさんはラジオ番組で話されていた通り、ダンス経験が活かされた、とても初めてだとは思えない華麗な動き。さらにはキャラクターの声でブレなく歌える素晴らしさ。朝井さんは美玲と同じく眼帯を装着。片目だけの状態では平衡感覚が狂うデメリットがありながら、それでもやってくれたキャラクター愛に感謝でした。

 ライブでの披露を楽しみにしていた『たくさん!』。実際にライブで観てみましたら、曲そのものの良さを感じる前に、上坂さんのスター性が前に出てくるものだなと思ってしまいました。やはり彼女には赤が似合うようで、ライブビューイングで観ていたわけではないのですが、画面栄えするものだなというのが率直な感想でした。『たくさん!』とは逆に、あまりピンときていなかった『cherry*merry*cherry』が自分の中での本公演MVP。何が良かったかというと、「大空さんが緒方智絵里に見えた」この一言で事足りるのでは。

 これまでのシンデレラガールズのライブイベントではあまり感じられなかった『チーム感』が今回のライブツアーで感じられました。年々メンバーが増え続けているシンデレラガールズ。それに伴い、ライブイベントの出演者も増加。ステージ狭しと横一列に立ち並び、「私たち、シンデレラガールズです!」の言葉が会場に響き渡る光景、その人数の多さに圧倒させられました。しかし今回は、全国各地にメンバーが分散する形になったことで、1公演あたりの出演者の数が15名の構成に。さらには、センターを務めてきた大橋さんが不在の公演も多く、1からのチーム作りになったことがそう感じられた要因でしょうか。他の出演者にアドバイスを送るアイデアマンであり、これまでサブリーダー的な役割であったと思われる松嵜さんが宮城公演のセンター。最後の挨拶で松嵜さんへの感謝の言葉が口々に聞こえてきたことから、適任だったのだろうなと感じられました。「きらりは輝いていましたか?」と涙ながらに会場のプロデューサーたちに問いかけた松嵜さん。今までずっと大橋さんがシンデレラのセンターだったので考えもしていなかったのですが、センターを務めることの重大さをこの言葉で気付かされ、ハッとさせられました。自身が演じるアイドルをセンターとして輝かせる、これまでにないチャンスだったのですね。


 終演後、電車が1時間に1本ペースしか走っていないので、急いでも仕方ないと再び徒歩で利府駅へ。駅に到着しても、電車がくるのは40分後…。小さな駅でたくさんの人が待つことに。しばらくして到着した電車は、乗り換え無しで仙台に直行してくれたので、まあ良しとしましょう。車内で第6回シンデレラガールズ総選挙の結果を確認したので21時は過ぎていた様子。ホテルに辿り着いたのは22時頃だったかもしれません。

 1日目の情報は見ないようにして、2日目のみ参加。セットリストは前日と同じでしたので見なくて正解でしたが、1日目の話題についていけないという難点が。『きらりんビーム』や『野球対決』等、前日までの流れを知らないと、少し置いてけぼりをくらうことになるのだなと学びました。2日間参加できるのは現在のところ大阪公演のみの予定。セットリストが同じでも、行けるものならライブビューイングで積極的に参加したほうが良さそうです。地方公演ということで、その土地の名産がMCパートで話題となり、宮城出身である杜野さんがレポーター経験を活かしたトークでいろいろと紹介されていました。今後もこのような話題が続いていきそう。そして、その土地土地の名産が町から消えていくこともまた続いていくのでは。

【レビュー】PS VITA TVで改めてプレイ『アイドルマスターSP』

 2013年11月14日に、携帯ゲーム機であるPS VITAのゲームがテレビで楽しめるPS VITA TVが発売されましたので早速購入してみました。とても小型なゲーム機で、名刺入れぐらいのサイズ。これ1台で、PS VITA、PSP、PS1、PCエンジンのゲームや、音楽、映像、書籍等々のコンテンツが楽しめます。(残念ながら生産終了)

PlayStation Vita TV (VTE-1000AB01)【メーカー生産終了】

PlayStation Vita TV (VTE-1000AB01)【メーカー生産終了】

 

 
 PS VITA TVを起動するとPS VITAと変わらない画面が。グラフィックインターフェイス自体は変えずに、コントローラで操作ができるようになっています。タッチパネルで操作するPS VITAを先に触っていましたので、コントローラで操作することに違和感を感じましたが、これは操作していくうちに慣れるでしょう。

 コントローラはPS3のものがそのまま使用可能。日本製と間違えて購入してしまった海外製のコントローラが家に転がっていましたので、それをPS VITA TV用のコントローラとしました。他にも用途別のコントローラを持っているのですが、残念なことにこれらは接続できず。もちろん、レースゲーム用のステアリングコントローラも。今後、対応してくれるかもしれませんが、現状では使用できないようです。これでは『ハンドルでアイドルマスターSPをプレイしてみた』ができない…。いや、むしろできなくてよかった。ということで、『PS VITA TVでアイドルマスターSPをプレイしてみた』です。


タイトル:アイドルマスターSP PSP the BEST
ハード:PSP ジャンル:アイドルプロデュース
発売日:2010年1月28日 価格:2,800円

アイドルマスターSP パーフェクトサン PSP the Best

アイドルマスターSP パーフェクトサン PSP the Best

 



 アイマスSPには、プロデュースできるアイドルがそれぞれ異なる3バージョンがあるのですが、今回プレイしてみたのは、天海春香・菊地真・高槻やよいがプロデュースできる『パーフェクトサン』です。

 PS VITA TVでアイマスSPをプレイするには、プレイステーションストアで、ゲームのデータを購入する必要があります。価格は2,800円。プレイステーションストアで販売されているソフトのUMDディスクを所持している場合、価格が割安になる『UMDパスポート』というサービスがありますので、それを利用しようかと思ったのですが、バンダイナムコゲームスのゲームはそれに対応していないという罠…。その昔、3バージョンをまとめて予約購入した覚えがありますが…て、定価で買い直しましたよ!



 アイマスSPは、アーケード版アイマスの開発を行ったメトロというゲーム会社が開発を担当しました。ディレクターを担当したのもアーケード版のディレクターであるディレ1こと石原さんですので、アーケード版の正当な続編?いやリメイクというべきですか。

 Xbox360版でもそうでしたが、アーケード版から使用されている音声が引き続き使用され、SPで追加されたストーリー部分には、新規録音された音声が使用されています。さすがに、アーケード版の音声とSPの音声では収録時期が離れすぎていますので、この音声の切り替わり部分では違和感を感じてしまいます。この音声の違和感を一番感じてしまうのはやはり双海亜美/真美役の下田さんでしょうか。アーケード版の頃の声はとても幼く、まだ役者として右も左も分からないといった頃に収録された音声でしょうから無理もないです。この件については、統一性のない音声と言ってしまえばそれまでですが、この違和感を逆に楽しむのもまた一考。昔は昔で初々しさが、今は今で演技力の向上が垣間見える。そう考えますと、アーケード版から現在にさかのぼって音声を聴き比べてみるのも面白いかもしれません。

 VITA TVでせっかくプレイしますので、そのあたりの感想も。グラフィックに関してですが、PSPサイズで作られたものを無理やり引き伸ばしていますので、画面が滲んで見えるのは仕方なしというところでしょうか。あと、キャラクターの輪郭部分のジャギーが強く、ギザギザ感があります。VITAにはこれを抑えるバイリニアフィルタリングという機能があったのですが、VITA TVにはその機能が無いようです。仕方がないのでこのままプレイすることに。担当アイドルはメインヒロインの天海春香に決定。ここで芸名が付けられるのですが、そのままでいきましょう。そのままで。


 久しぶりにアイマスSPをプレイしてみると、思いのほか初心者向けに作られていたのだなと感じました。Xbox360版には登場しなかった事務員の音無小鳥さんがゲームを進める上でのアドバイスをくれますし、アイマスのゲームの肝とも言えるオーディションに関しては、ゲームシステムについて詳しく説明が入ります。なかなか難しいシステムですので、説明書も読まずにプレイしても、よく分からないままオーディションが終わってしまうでしょうから、家庭用ゲーム機用としては必要不可欠な追加要素であったと思います。(Xbox360版には無かったでしたが)




 PSPの特性を生かして、TV出演シーンでは縦カメラでの映像も見ることが可能となっています。小さなPSPの液晶でも、本体を縦にすることでアイドルの全身を映し出すことができるというものなのですが、VITA TVですと、縦置きできるモニターでないとその恩恵は受けられません。しかしながら、首をかしげて見れば大画面で縦画面が楽しめますよ!なんだか首が痛くて仕方ないですけど楽しめますよ!

 PS VITA TVでアイマスSPをプレイしてみましたが、さすがにグラフィック面はXbox360版に劣るものの、ライバルとして、961プロのアイドル、星井美希・四条貴音・我那覇響が登場するゲームというのは、今となってみれば面白いものだと思います。アイマス2やアニメからアイマスを知った方が、このゲームをプレイされると、パラレルワールドとしてアイマスSPが楽しめるのではないでしょうか。先にSPをプレイしていると、逆にアイマス2やアニメがパラレルワールドとして感じることもあると思います。同じアイマスでも、作品ごとに世界線が少しずつ違うので、最初に触れた世界線によって、人それぞれ見え方、捉え方が変わってくるという訳です。同じような世界観でずーと続いてきたコンテンツだからこその楽しみ方があるのではないかと大変興味深く思うのでした。

【レビュー】ゲームとは異なるリセットされないリスタート『アイドルマスター relations』

 

アイドルマスター relations: 1 (REXコミックス)

アイドルマスター relations: 1 (REXコミックス)

 

 
 上田夢人さんの『アイドルマスター relations』(全2巻)。この作品が連載開始されたのが2007年、Xbox360版『アイドルマスター』が発売された頃となります。アイマスのゲームに準じた作品で、作者である上田さんがアーケード時代からのアイマスファンであるということもあり、アイマスを知っている人が見れば、原作のネタはもちろんのこと、ニコニコ動画から生まれたようなネタ(リッチャンハカワイイデスヨ等)まで、作中に散りばめられていることがよく分かると思います。そういった、ファンにしか分からないようなネタが使用されていますので、アイマス公式の作品ではありますが、アイマスの同人誌的な印象を受けました。ファンによるコミカライズ作品であることが、読んでいて強く感じられました。

 ライバルキャラクターとして、東豪寺プロ所属のアイドルユニットである魔王エンジェルが登場。ゲームをプレイしていると分かるのですが、魔王エンジェルとは、ゲーム中に名前だけ登場するNPC(ノンプレイヤーキャラクター)の名称です。名前だけのキャラクターが具現化されている点は、こんなキャラクターだったのかと、原作ファンにとっては面白い発見でした。原作のちょっとしたネタを膨らませる、こういった発想が同人誌的だなと感じさせるのかもしれません。

 既にトップアイドルとして活躍している如月千早。そんな千早に憧れる新人アイドル星井美希。美希を担当するプロデューサーは、かつて千早のプロデューサーであった。そんな関係性を軸に物語は展開されます。この3人以外の765プロの面々ももちろん登場するのですが、美希・千早にスポットが当てられていますので、脇役の感は否めません。しかしながら、脇とは言えど、それぞれ個性を発揮していますので、その辺りはさすがアイマスファン、抜け目がないなと感心。

 既に千早はプロデュース済みで、プロデューサーにとって美希はリスタートであるというところは、ゲームを踏襲した設定だなと感じました。ただゲームと異なるのは、過去がリセットされていないところ。プロデュース後の千早はトップアイドルとして存在し、プロデューサーは過去の失敗(プロデュースの断念)を引きずっているという状況が残っているのです。この状況を踏まえた上でのリスタート。ゲームでは描かれていない過去に続く未来が描かれている点は、とても興味深く感じました。美希ファン、千早ファンでなくても、アイドルマスターというゲームが好きな方にオススメの1作です。


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