HISTORY OF IM@S WORLD 2001-2017

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HISTORY OF IM@S WORLD 2001-2017

アイドルマスターの歴史を振り返ってみるブログです。

【レビュー】ゲームとは異なるリセットされないリスタート『アイドルマスター relations』

 

 
 上田夢人さんの『アイドルマスター relations』(全2巻)。この作品が連載開始されたのが2007年、Xbox360版『アイドルマスター』が発売された頃となります。アイマスのゲームに準じた作品で、作者である上田さんがアーケード時代からのアイマスファンであるということもあり、アイマスを知っている人が見れば、原作のネタはもちろんのこと、ニコニコ動画から生まれたようなネタ(リッチャンハカワイイデスヨ等)まで、作中に散りばめられていることがよく分かると思います。そういった、ファンにしか分からないようなネタが使用されていますので、アイマス公式の作品ではありますが、アイマスの同人誌的な印象を受けました。ファンによるコミカライズ作品であることが、読んでいて強く感じられました。

 ライバルキャラクターとして、東豪寺プロ所属のアイドルユニットである魔王エンジェルが登場。ゲームをプレイしていると分かるのですが、魔王エンジェルとは、ゲーム中に名前だけ登場するNPC(ノンプレイヤーキャラクター)の名称です。名前だけのキャラクターが具現化されている点は、こんなキャラクターだったのかと、原作ファンにとっては面白い発見でした。原作のちょっとしたネタを膨らませる、こういった発想が同人誌的だなと感じさせるのかもしれません。

 既にトップアイドルとして活躍している如月千早。そんな千早に憧れる新人アイドル星井美希。美希を担当するプロデューサーは、かつて千早のプロデューサーであった。そんな関係性を軸に物語は展開されます。この3人以外の765プロの面々ももちろん登場するのですが、美希・千早にスポットが当てられていますので、脇役の感は否めません。しかしながら、脇とは言えど、それぞれ個性を発揮していますので、その辺りはさすがアイマスファン、抜け目がないなと感心。

 既に千早はプロデュース済みで、プロデューサーにとって美希はリスタートであるというところは、ゲームを踏襲した設定だなと感じました。ただゲームと異なるのは、過去がリセットされていないところ。プロデュース後の千早はトップアイドルとして存在し、プロデューサーは過去の失敗(プロデュースの断念)を引きずっているという状況が残っているのです。この状況を踏まえた上でのリスタート。ゲームでは描かれていない過去に続く未来が描かれている点は、とても興味深く感じました。美希ファン、千早ファンでなくても、アイドルマスターというゲームが好きな方にオススメの1作です。