HISTORY OF IM@S WORLD

HISTORY OF IM@S WORLD

アイドルマスターの歴史を様々なデータで振り返る

文字だけで振り返るアイマス史

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開発期間は4年弱、アイドルゲーム(仮)

  ゲームメーカーであるナムコが開発したアーケードゲーム用筐体『リライタブルステージ』。ステーション複数台とタワー1台で構成された大掛かりなもので、ステーションではゲームをプレイ。タワーは情報を表示するために使用された。ネットワーク接続に対応しており、通信対戦が可能。タッチパネルを採用、プレイ状況記憶媒体としてカードを使用、携帯電話との連動サービスといった、アーケードでの新たなゲームスタイルを提示するものとなっていた。

 この『リライタブルステージ』用のゲームとして、ドラゴンを育成し、育てたドラゴンで全国のプレイヤーとオンライン対戦ができるターン制バトルゲーム『ドラゴンクロニクル』が第1弾として企画された。第2段は、『ときめきメモリアル』、『サクラ大戦』等、当時人気があったギャルゲーをモチーフとしたものが企画され、アイドルプロデュースゲーム『アイドルゲーム(仮)』の開発されることになった。このゲームがのちの『アイドルマスター(THE IDOLM@STER)』である。

 企画の立ち上げ当初は、女子プロレス、女子バレーを題材にしたものが企画されたが、最終的には、当時人気があったオーディションバラエティ番組『ASAYAN』の影響により、アイドルを育成するゲームという方向性に定まった。このゲームのプロデューサーを務めたのは、後に『機動戦士ガンダム 戦場の絆』等を手がけた小山順一朗。ディレクターは6人体制で、リーダー格としてディレクター1を担当したのが石原章弘。(通称ディレ1)キャラクターデザインはアニメーターの窪岡俊之。

 シルエットだけでも個性が判別できるような親しまれやすいキャラクターデザインが考えられ、最終的に、天海春香、如月千早、萩原雪歩(初期段階では恵という名前だった)、菊地真、高槻やよい、水瀬伊織、双海亜美、双海真美、三浦あずさ、秋月律子、四条貴音、我那覇響の計12名のアイドルがデザインされた。各アイドルの苗字は旧日本軍の戦艦の名前にちなんだものである。ちなみに、貴音、響は容量の関係上、アーケード版には登場しなかったが、後にPSP用ゲームソフト『アイドルマスターSP』で改めて登場することになった。この際に、現在の苗字、キャラクター設定が決定。大幅なデザイン変更は無かったものの、貴音の髪の色が金髪から銀髪に変更された。

 ゲームのグラフィックに2Dアニメーションを使用する案があったものの、費用が掛かりすぎるということで3Dアニメーションが採用された。石原ディレクターが開発スタッフとして携わっていたゲーム『青春クイズカラフルハイスクール』のキャラクター、神崎未来を基に試作モデルの制作が開始。この試作モデルの制作が成功し、春香のモデルが制作されることになった。さらに、ゲームのプロトタイプを制作する為、春香役の声優オーディションが先行して開催。春香役の声優は新人の中村繪里子に決定した。プロトタイプでは台詞のみの収録だった為か、後のオーディションで恒例となる、歌の審査は行われなかった。

 ゲームの制作が進み、既に声優が決定していた春香役を含めた全アイドル役の声優オーディションが行われた。オーディションは一次と二次に別れており、二次審査で歌審査が行われ、プロトタイプで春香役であった中村はこの二次審査から参加。オーディションの結果、9名の声優が選ばれた。春香役はプロトタイプ同様に中村繪里子、千早役は今井麻美、雪歩役は落合祐里香、真役は平田宏美、やよい役は仁後真耶子、伊織役は釘宮理恵、亜美/真美役は下田麻美、あずさ役はたかはし智秋、律子役は若林直美に決定した。

 ゲーム中でアイドルが歌う楽曲制作の為に、佐々木宏人サウンドディレクターを始めとした、ナムコのサウンドコンポーザーが集められた。作曲に関してはナムコスタッフで固められており、平均的なアイドルソングではなく、作曲者それぞれの個性が強く出た楽曲が生まれた。

 ゲームの開発が遅れ、キャストによるプロモーション活動が先行して行われた。当時、アイドルマスターとしての宣伝番組はなかったものの、各キャストが出演していたラジオ番組やWEB動画番組に便乗する形でのプロモーションが行われたことにより、キャスト(声優)との結びつきが強いコンテンツとなっていった。

 2004年1月、WEB動画番組『アギュー』の公開録音イベントが『アニメエキスポ東京』にて開催。この場で、アイドルマスターミニコンサートとして、中村による『太陽のジェラシー』、今井による『蒼い鳥』、中村・今井による『THE IDOLM@STER』の計3曲が披露された。この時点でゲームは完成していなかったが、ゲーム上で披露される楽曲を、現実で声優が披露するというアイマスライブの原点となるイベントとなった。

<まとめ>
 アーケード版の開発時期。ちょうどこの頃、インターネット回線が電話回線からADSLへと移り変わり、携帯電話の通信システムも2Gから3Gへ。このネット環境の変化により、ゲーム業界ではオンラインゲームが台頭。声優業界では、ラジオ番組が地上波ラジオからWEBラジオへと舞台を変えていきました。この時代の流れによって生まれた新しいゲームであり、メディアミックス作品であるのが『アイドルマスター(THE IDOLM@STER)』です。とはいえ、技術革新の狭間といった中で、最新技術を活かしたゲームを制作したことは当時としては、かなり無茶なことであったと思います。この時代にいち早くチャレンジした、そのチャレンジができる環境にあったことが大きく、当時のナムコだったからこそ制作できたゲームであったと思います。


嵐の中の始まり、アーケード版稼働

 2004年3月30日、プレデビューサイト『アイドルマスターWEB pre-debut edition』が期間限定で開設された。このサイトでは、ゲーム内容の紹介やPVが掲載され、ユーザーからの意見募集が行われていた。意見を送付することで、一定期間ごとに異なる壁紙がプレゼントされた。2004年6月8日に公開終了。2004年9月1日に公式サイト『アイドルマスターWEB』が開設された。2004年12月10日には、『アイドルマスター体験版ちょびっと』が公開。WEB上でゲームの序盤がプレイできた。

 2004年12月17,18,19日、プラボ中野(東京都)、プラボ鶴見(神奈川県)にて、第1回ロケテストが開催された。ロケテストとは、ロケーションテストの略称で、開発中のアーケードゲームを、ゲームセンターにプレイできる状態で公開し、ゲームバランス調整や市場調査を行うものであり、計3回行われた。このロケテストの現場に、キャストが訪れることもあった。

 2005年7月26日、台風7号が関東地方に接近する中、アーケード版『アイドルマスター(THE IDOLM@STER)』が稼動した。プレイヤーはアイドルプロデューサーとして、765プロダクション所属の9人のアイドル候補生から1人を選択し、決められた期間内で、レッスンやコミュニケーションを積み重ね、その成果を基にオーディションにチャレンジ。オーディションに合格してファン数を獲得し、トップアイドルを目指すという内容。難易度が高くても、アイドルの魅力によって何度も挑戦したくなる仕組みや、携帯電話にアイドルからプロデュースを催促するメールが直接届くなど、革新的なつくりにより、一部で人気を博した。

 2005年7月28日、CDシリーズ制作発表会『スタートアップミーティング』が開催された。このイベントには、株式会社ナムコより、石川祝男副社長、小山順一朗プロデューサー。コロムビアミュージックエンタテイメント株式会社より前山寛邦、植村俊一。そして、各キャラクターを演じる声優9名が出席。この場で石川副社長が、アイドルマスターのメディアミックス展開の展望を語った。2005年9月28日、初の音楽CD『THE IDOLM@STER MASTERPIECE 01 魔法をかけて!』が日本コロムビアから発売。2005年12月22日、初のドラマCD『THE IDOLM@STER ドラマCD Scene.01 萩原雪歩&菊地真編』(プロデューサー役:泰勇気)がフロンティアワークスから発売された。2006年4月にはラジオ番組が同時期に、ラジオ大阪『THE IDOLM@STER RADIO(今井・たかはし)』、アニメイトTV『ラジオdeアイマSHOW!(中村・今井・落合)』の2番組がスタートするなど、メディアミックス展開が進められた。

 2006年1月21日、雪吹きすさぶ中『THE IDOLM@STER MASTERPIECE』シリーズのリリースイベント『シークレットイベント』が赤羽会館にて開催された。出演は、中村繪里子、今井麻美、若林直美、たかはし智秋、平田宏美、仁後真耶子、落合祐里香、下田麻美の8名。会場アナウンスは、765プロの事務員である音無小鳥(CV:滝田樹里)が担当したが、この場で小鳥の声が初披露された。イベントの内容としては、ゲーム中の楽曲のライブや、石原章弘ディレクターが書き下ろした朗読劇『伊織を探せ!』等が行われた。

 2006年7月23日、アーケード版稼動1周年を記念したライブイベント『THE IDOLM@STER 1st ANNIVERSARY LIVE』が新木場STUDIO COASTにて開催された。このイベント以降、アーケード版稼動日をアイドルマスターの始まりの日として、アニバーサリーライブが毎年開催された。(※2ndについては行われず。3rdから10thまで行われ、それ以降は未開催)こうしたイベントは度々開催され、会場の規模も次第に大きくなり、ゲームから始まったコンテンツではあるが、実際にアイドルの歌声やパフォーマンスを体感できるライブイベントが、アイドルマスターにおける重要な要素の1つとなった。

<まとめ>
 アーケード版がようやく稼働。ゲーム内容としてはシビアなもの。チュートリアルをプレイしたところで、オーディションシステムをすぐに理解できるわけもなく、初見でクリアできるような生易しいものではありません。アイドルごとの特性を知った上でのオーディション前の下準備、オーディションの戦略等々を把握する必要がある高難易度のゲームでした。さらには、ゲームセンター内で客観的にゲームのプレイヤーを見てみると、女の子たちが写っている画面をタッチしている姿は異様なものであったこともまた事実。別の意味でもプレイをするのに高難易度であったとも言えます。そんなことはお構いなしに、プレイするツワモノもいれば、プレイすることすらできなかった方も数多かったことでしょう。


XBOX360版発売、ニコニコにゼノグラと

  2006年9月15日、『PROJECT IM@S(Inter Media Artists and Specialists)』が発表された。『PROJECT IM@S』とは、アイドルマスターというコンテンツの最大化を図るために、プロの壁、表現者としての壁、そしてあらゆるメディアの壁を越えていくことにチャレンジしていくという、強い理想を表現したもの。コンテンツを最大化させるため、一貫したプロジェクトとしてメディアミックス展開を推し進めていくことになった。

 2007年1月25日、Xbox360版『アイドルマスター(THE IDOLM@STER)』が発売された。アーケード版の開発はメトロが行っていたが、コンシューマ版は社内で開発され、グラフィックは以前のものを流用せずに新規で作り直された。他にも、ゲームシステムの変更、Xbox Liveを使用したオンライン対戦・ダウンロードコンテンツ販売サービス、新キャラクター『星井美希(CV:長谷川明子)』・新曲の追加等、大幅な変更が行われた。プロデューサーは坂上陽三(通称ガミP)、ディレクターは小野田裕之(別名:mft)。アーケード版のプロデューサーであった小山順一朗は別ゲームの担当に。ディレクターであった石原章弘は、アーケード版の調整作業があったために、シナリオ作成、ゲーム監修という立場で関わった。

 この頃、YouTubeやニコニコ動画といった動画配信サイトのサービスがスタート。歌って踊る高水準のCG技術の目新しさもあってか、アイドルマスター関連の動画が数多く投稿された。さらには、ゲーム映像を編集したMAD動画がニコニコ動画で盛り上がりを見せ、思わぬ形で認知度を上げていった。この盛り上がりは、動画の再生画面上にコメント(感想)を流せる仕様により、リアクションが簡単に得られることでの動画製作者のモチベーションの向上。さらには、製作者同士のコミュニティ環境がネット上で構築されたことでの技術共有であったり、再生数ランキングによる切磋琢磨が生まれたことが大きな要因と思われる。

 2007年4月、アニメ『アイドルマスター XENOGLOSSIA(ゼノグラシア)』の放送が開始された。ゲーム版アイドルマスターを原作としたアニメではなく、メディアミックスプロジェクト『Project iM@S』の一環として製作された。その為、登場するキャラクターは同一であるが、キャラクターの声を担当する声優、ならびに各種設定についてはオリジナルのものであり、内容もアイドルアニメではなく、ロボットアニメに分類されるものとなっている。製作はロボットアニメの老舗であるサンライズ。『舞-HiME』を製作したサンライズ第8スタジオが担当。監督は後に『とらドラ!』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』等を手がける長井龍雪。シリーズ構成は後に『中二病でも恋がしたい!』『ラブライブ!』を手がける花田十輝。前述のとおり、ゲーム版とはストーリー・キャストが異なる為、ゲーム版のアニメ化を待望していた層には受け入れづらい内容で批判の声が挙がった。作品の出来そのものに対してと言うよりも、この機会を逃すとゲーム版のアニメ化の時期を逸するという懸念があったものと思われる。ゲーム版のアニメについては、4年後の2011年に放送された。

<まとめ>
 ニコニコ動画にアイドルマスターの動画が投稿されたことで、アイドルマスターというゲームをプレイしていない方が、アイドルマスターというコンテンツを認識するようになっていく状況が作られました。そして、アイドルマスターを題材にした動画が次々と制作、投稿されるようになり、動画制作者同士のコミュニティが形成され、合作が作られるようになりました。それがニコマスと呼ばれるように。2007年から2年ほどは、ニコマスに勢いがありましたので、思いがけないところでアイドルマスターの知名度向上に一役かうことになりました。そんなことがあったことで、公式と共存とまではいかないものの、ある程度黙認されている状況に。この状況は他に今までになかった出来事で、興味深いものでありました。短い期間ではあったものの、この二次創作の大きな盛り上がりが、今現在も続くアイドルマスターに繋がっていることは確かでしょう。


ガミP命名に変態コール、ライブフォーユー発売

  2007年10,11月、イベント『Go to the NEXTSTAGE!! THE IDOLM@STER GREAT PARTY』が渋谷O-East(東京都)・心斎橋BIGCAT(大阪)の2箇所で開催された。このイベントは、ライブ&トークイベントとなっており、坂上プロデューサーへの質問コーナーが行われた。東京公演では、若林直美から「坂上プロデューサー」は言いにくいとのことで「ガミP」と命名された。大阪公演では、そのガミPが、赤ちゃんセットについて「亜美真美に着させるとかわいくて」と語ったことにより、客席から変態コールが巻き起こった。その後、各種イベントでガミPが登場する際には、変態コールが起こることが定番になった。

 2008年2月28日、Xbox360用ゲームソフト『THE IDOLM@STER LIVE FOR YOU!』発売。リズムアクションゲームと、ライブ映像の構成を自由に組み替えることができる機能を兼ね備えたライブシミュレーションゲーム。ゲーム版を原作としたオリジナルアニメビデオを同梱。リズムアクションゲームとしてみれば、やりこみ要素は少なく、ボリューム不足の感は否めないが、MAD動画編集におけるライブ映像作成時間が大幅に削減されるなど、本来の遊び方とかけ離れた用途で重宝されるように。さらには、この年の七夕に、背景をブルーバックに変えるコマンドが発見され、背景合成を駆使した動画が数多く投稿されるようになった。

 2009年7月27日、ライブイベント『Go to the NEW STAGE! THE IDOLM@STER 3rd ANNIVERSARY LIVE』がパシフィコ横浜 国立大ホールにて開催された。YAKINIKUMANこと串田アキラがゲスト出演。このイベントにて、PSP用ゲームソフト『アイドルマスターSP』が発表され、ライバルアイドル事務所である961(クロイ)プロダクションの存在が明かされた。961プロのアイドル、星井美希、我那覇響(CV:沼倉愛美)、四条貴音(CV:原由実)の3人が961プロ社長の黒井崇男(CV:子安武人)による呼びかけで登場。新曲『オーバーマスター』を披露した。こうした思いがけないゲストの登場や、765プロから961プロへ星井美希が移籍となる情報など、サプライズの多いイベントとなった。

 10月11日、東京ゲームショウにてアイドルマスターSPのイベントが開催された。同作の挿入歌である『Colorful Days(765)』と『オーバーマスター(961)』が12月に同日発売されることが発表。売上の結果として、数百枚の差で『オーバーマスター』に軍配が上がった。

<まとめ>
 3rd ANNIVERSARY LIVEにて、PSP用ゲームソフト『アイドルマスターSP』の発売が発表されました。本来であれば新しいゲームに対しての期待が膨らむところなのですが、ここで星井美希が961プロに電撃移籍することも発表され、物議を呼ぶことになります。星井美希はXbox360版アイドルマスターの新アイドルとして登場し、他のアイドルには用意されていない覚醒イベントがあるなど、ある意味特別扱いされていて、プレイヤーにとっては思い入れが強くなりやすいアイドルではないかと思います。そのアイドルが765プロのライバルとなるという展開。期待と不安が重なる中、『アイドルマスターSP』の発売日を待つことになりました。


携帯ゲーム発売、そして、2nd VISIONへ

  2009年2月にPSP用ゲームソフト『アイドルマスターSP』が発売された。登場アイドルが異なる3タイトルが同時発売。プロデューサーは坂上陽三。ディレクターはアーケード版から復帰の石原章弘。ライバル事務所961プロダクション所属アイドル『星井美希』『我那覇響(CV:沼倉愛美)』『四条貴音(CV:原由実)』がそれぞれ登場するストーリープロデュースモードの他に、Xbox360版とほぼ同じ内容のフリープロデュースモードが楽しめる内容であったが、星井美希の961プロ電撃移籍については、発売前から物議を醸した。

 2009年5月にライブツアー『THE IDOLM@STER 4th ANNIVERSARY PARTY SPECIAL DREAM TOUR'S!! IN NAGOYA』が開催された。今回のイベントでは重大発表が行われ、『PROJECT IM@S 2nd VISION』と題し、アイドルマスターの続編製作開始、961プロのアイドルが765プロ所属に、ニコニコ動画に公式チャンネル『ニコニコアイマスch“たるき亭”』開設、ツアー最終日の東京公演にて続編とは別の新ゲームプロジェクト発表等、今後の展開について坂上陽三プロデューサーから発表された。
 東京公演では、ニンテンドーDS用ソフト『アイドルマスター ディアリースターズ』の発売が発表され、ディアリースターズのPVが初公開された。このゲームに登場する876プロのアイドルを演じる声優陣も併せて紹介。日高愛役は戸松遥、水谷絵理役は花澤香菜、秋月涼役は三瓶由布子が担当。戸松遥、花澤香菜はサプライズゲストとして登場し、新曲『"Hello!!"』を披露した。三瓶由布子については不参加で、ビデオメッセージが寄せられた。

 2009年9月にニンテンドーDS用ソフト『アイドルマスター ディアリースターズ』が発売された。本作はアイドルマスターの第2弾プロジェクト『PROJECT IM@S 2nd VISION』の第1作目として製作。プロデューサーは田中文啓・田中良也。ディレクターは梶岡俊彦。キャラクターデザイン(876プロアイドル)は、これまでの窪岡俊之に替わり、バンダイナムコゲームスの田宮清高。開発はマイクロビジョンが担当。今まではアイドルをプロデュースしてトップアイドルを目指すゲームであったが、本作はアイドル視点でストーリーを楽しむ作りに。主人公を務めるのはこれまでの765プロダクションに所属するアイドルではなく、876プロダクションの『日高愛(CV:戸松遥)』『水谷絵理(CV:花澤香菜)』『秋月涼(CV:三瓶由布子)』の3名。今までのアイドルマスターにあった、営業・レッスン・オーディションの要素は残されていて、オーディションについては、誰もが楽しめるようにシステムを簡略化。このオーディション合否の結果によりストーリーが分岐、様々な結末が用意された。

<まとめ>
 ダウンロードコンテンツが売れたことが話題になったものの、ゲームタイトルとして決して大ヒットを収めたわけではなく、ニコニコ動画でのムーブメントにより、世に知られるようになったアイドルマスター。この時点では知名度だけは高く、実績は少ないという状況でありました。その中での新たな動きとして、携帯ゲームでの展開が行われました。まだ当時の携帯ゲーム機はグラフィック性能が高いわけではないので、見た目からするとXbox360版から大きく劣ったのですが、当時普及していたPSPやニンテンドーDSでプレイできる点に置いては、アイドルマスター入門編としては一定の実績を残したと言えるのではないでしょうか。物議を醸した星井美希の961プロ電撃移籍については、ゲームを実際プレイしてみると、なんだそんなことか…となった方が多数であったのでは。


雪歩役声優変更、アニメ化発表、アイマス2発売

  2010年7月、ライブイベント『5th ANNIVERSARY The world is all one !!』開催。このイベントの1日目に、『アイドルマスター2』発売決定を発表。2日目に、萩原雪歩役が浅倉杏美に変更されることが発表された。同年9月、東京ゲームショウにて『アイドルマスター2』のゲーム仕様について触れられ、ゲームに登場する961プロの男性アイドルユニット『Jupiter』[天ヶ瀬冬馬(CV:寺島拓篤)、伊集院北斗(CV:神原大地)、御手洗翔太(CV:松岡禎丞)]、アイドルからプロデューサーに転向した秋月律子プロデュースのアイドルユニット『竜宮小町』(水瀬伊織、三浦あずさ、双海亜美)を発表。この場で、律子を含む『竜宮小町』のメンバーはプロデュース対象では無い事が明かされた。さらには、新曲『The World is all one!!』の歌唱ユニットを投票にて選抜する企画も発表。これらの発表に嫌悪感を感じた者からは、『9・18事件』と揶揄されることになった。

 2011年1月、ライブイベント『H@PPINESS NEW YE@R P@RTY !! 2011』開催。これまでライブ前の諸注意は高木順一朗前社長現会長(CV:徳丸完)が行っていたが、今回より高木順二朗現社長(CV:大塚芳忠)に変更された。このイベントにて、アイドルマスターのアニメ化が発表。

 2011年2月、Xbox360版『アイドルマスター2』発売。プロデューサーは坂上陽三、大村純。ディレクターは石原章弘、加藤正隆。キャラクターデザインは窪岡俊之から田宮清高に変更された。グラフィック面が強化され、ステージに5人まで配置が可能に。アイドルの年齢が1才歳を重ね、それに合わせてスタイル・髪型等が変更された。アイマスSPではライバルであった美希・響・貴音がプロデュース対象に。伊織・あずさ・亜美・律子がプロデュース対象から外れた。これまでのアイドルマスターとはストーリー展開における繋がりは無く、以後に発売されたタイトルも、登場アイドルは変わらないが、それぞれ単独のストーリーとなっている。

<まとめ>
 アイドルマスター2が発売される前から、萩原雪歩役の声優の変更や、ゲームの仕様についての発表方法のまずさにより、不穏な空気に。萩原雪歩役の声優交代については、この発表があるまで全く情報が出ていなかったものの、長谷さんの状況とアイマスとの関わり方からして、その時が来たかと寧ろ納得した感じがありました。ただし、長谷さんのファン、長谷さんの演じる雪歩のファンにとっては、ただただ辛い出来事であったと思います。9・18事件とも言われている『765プロダクション2010年度決起集会』についてですが、Jupiterについて、男性ユニットだからダメだという考えは自分にはなかったものの、発表を実際に見ていた時は、唖然としたと同時に、一部のファンからは反対意見が起こるだろうなと、そして、もう一部のファンには大ウケするだろうなと思った記憶があります。個人的には、ライバルキャラとして男性キャラを使うという考え自体は悪くないと思いました。ただ、思った以上に反対意見が挙がったのは、実際の反応なのか、アンチ的なお祭り的なものだったのかは、今となっては定かではありません。プロデュース対象のアイドルが減ってしまったことについては、残念でしかないのが正直なところでした。この時から10年後、ゲームショウ用のアイマス2体験版から没データが流出。かねてから噂のあった、後にミリオンライブに登場する3人のアイドルのデータが見つかりました。想像以上に、アイマス2の制作現場での紆余曲折があったことが明るみに出た出来事でありました。
 この時期はアイマスの歴史の中でも、一番暗い時期にあたるといっても過言ではありません。しかし、ここを通らなければ今のアイマスもないという重要な分岐点でもあります。Jupiterがいなければ、SideMという道はなかったかもしれない。没データとなってしまったものの、後にミリオンライブで登場することになるジュリア・レイカ・リンコ(現:桃子)がそのまま登場していたら、今の形のミリオンライブもなかったのかもしれない。ここでの判断次第で、今のアイマスが大きく様変わりしてしまうのだと考えますと、なかなかに興味深い分岐点なのです。


アニメ放送開始、シンデレラガールズ配信開始

  2011年7月にTVアニメ『THE IDOLM@STER』の放送がスタートした。製作はA1-Pictures。監督は『天元突破グレンラガン』『パンティ&ストッキングwithガーターベルト 』等でキャラクターデザインを務めた錦織敦史。この作品が彼の初監督作品となった。ゲーム『アイドルマスター2』の設定をベースに、売出し中のアイドルからトップアイドルへの成長と苦悩を描いた内容。アニメの主題歌『READY!!』は5.2万枚の売上を記録。昨年の東京ゲームショウ以降、コンテンツとして停滞気味であったが、このアニメ化が起死回生の一発となった。TVアニメスタート前には、アイドルたちのお仕事依頼を現実世界で引き受ける『リアル765プロ企画』が行われ、その後のアイドルマスターにおけるコラボレーション企画の先駆けとなった。

 2011年9月にPS3版『THE IDOLM@STER 2』発売。難易度設定変更が可能に。アニメの主題歌『READY!!』と、Xbox360版のDLC第3号までの内容の一部を収録。プロデュース対象から外れた4人が登場するエクストラエピソードモードを追加。『初音ミク』等のゲストアイドルが登場するなど、多くの追加要素が見られた。

 2011年11月にモバゲー『アイドルマスター シンデレラガールズ』サービス開始。数多くのアイドルが登場するアイドルマスター初のソーシャルゲーム。キャラクターデザインは、これまで765プロのCDジャケット等のデザインを手掛けてきた杏仁豆腐。ゲーム内容は、ソーシャルゲームとしてはオーソドックスなカードバトルゲーム。定期的にイベントが開催され、報酬として限定カードが入手することが可能。基本無料でプレイできるが、イベントを有利に進める為には課金または時間が必要となる。サービス開始当初はアイドルにキャラクターボイスは実装されていなかったが、2012年に音楽CD『CINDERELLA MASTER』シリーズをリリースした後、キャラクターボイスが決定したアイドルから順次、実装されていった。『CINDERELLA MASTER』シリーズについては、第1弾がオリコン史上初となる同一作品での5作同時トップ10入りを果たした。

<まとめ>
 アニメ『アイドルマスター』の放送が開始。アイドルたちが現実のお仕事を引き受けるリアル765プロ企画や、アニメの放送開始日に読売新聞の一面広告を打つなど、対外的なプロモーション活動が併せて行われました。当時のアイドルマスターのコンテンツの規模で、何故ここまでアグレッシブな展開できるのかと驚きを感じたほどでしたが、スタッフ側の、成功させるんだという熱い情念があってこその大々的な働きにより、関連商品の売上が大きく向上。ここにきて、ようやく本来のコンテンツの力が発揮され、言ってしまえばニコニコ動画ユーザーのオモチャであったアイドルマスターを、バンダイナムコが取り返した瞬間であったと思います。

 6年以上の間、765プロのアイドルを軸にこのコンテンツは動いていましたが、『シンデレラガールズ』では765プロのアイドルを含めて100名以上が登場。今までも新アイドルの登場はありましたが、必要最低限の追加に留めていたように感じられました。これまで追加されたアイドルは星井美希と、アーケード版の頃に登場させる予定であった、我那覇響と四条貴音。響と貴音については、まず『アイドルマスターSP』に登場させ、キャラクター紹介を行った上で『アイドルマスター2』でのプロデュース対象アイドルに。これは、昔からのファンに気を使っていたような消極的な戦略に思えていたのですが、ここにきて流れが大きく変わりました。旧来からのファンの中には課金要素が強いソーシャルゲームを毛嫌いする層がいたものの、未知のアイドルとの出会いを提供したシンデレラガールズは、アイドルマスター新規層の拡大に多大な貢献したことは間違いない事実でしょう。


コンプガチャ問題、シンデレラガール選抜総選挙

 2012年5月に徳島県で開催された『マチ★アソビ』にて、シンデレラガールズ初のイベント『CD大ヒット記念トークショー』が行われた。双葉杏役の五十嵐裕美が出演し、ミニライブコーナーで『あんずのうた』を披露。これがシンデレラガールズ初ライブとなった。今となってはシンデレラガールズのライブイベントは当たり前のように行われているが、当時はまだそういった展開が行われる予兆もない時期であった。

  2012年5月にバンダイナムコゲームスは自社のソーシャルゲームでの『コンプリートガチャ』の取り扱いを中止することを発表した。『コンプリートガチャ』とは、指定されたアイテムを全て揃えることにより、貴重なアイテムが手に入る仕組み。この仕組みに対して消費者庁から景品表示法違反の可能性あるとして、各ゲームメーカーに注意喚起を行うとの報道が行われていた。
 これにより、4月30日から5月14日まで行われていたシンデレラガールズのコンプリートガチャイベント『パジャマパーティー』をもって、コンプリートガチャイベントは終了された。

 2012年7月に『第1回 シンデレラガール選抜総選挙』(第3回以降はシンデレラガール総選挙に名称を変更)を実施。期間内に入手できる投票券でアイドルに投票。投票数が1位となったアイドルにはシンデレラガールの称号が与えられ、後日同アイドルのSRカードがプラチナオーディションガチャに追加された。第2回以降は、各属性アイドル上位5名で選抜されたユニットでの音楽CDも発売されることになり、キャラクターボイスの実装が伴う企画に。キャラクターボイスの有り無しが投票結果を大きく左右するようになっていった。

<まとめ>
 2010年あたりから、ソーシャルゲームへの重課金が問題となり、その中でも印象的な事柄であったのがコンプリートガチャです。テレビのニュース番組で、ソーシャルゲームとしての一例としてシンデレラガールズが紹介されたこともありました。仕組みとしては前述した通りですが、平たく説明しますと、より課金をさせようとする仕組みです。基本プレイ無料ではあるものの、カードを集めたくなる物欲が強いとマズいことに。さらにはリアルマネートレードという別の問題も絡んでくるという。ソーシャルゲーム黎明期から発展期へ向けての問題が明るみになった出来事でした。

 今もなお続く、『シンデレラガール総選挙』。かつては『シンデレラガール選抜総選挙』という名称でした。(コンプリートガチャは2012年5月で終了しましたが、投票券はガチャでも手に入るので、これはこれでまた別アプローチでの収益確保策であった様な…)当初は、ほとんどのアイドルのボイスが決まっておらず、純粋な人気投票でしたが、上位メンバーのボイスが決まるようになってからは、主目的がそちらに移行していった感がありました。毎年行われる企画ですので、次はこのアイドルをという全体的な流れみたいなものが生まれ、常連組とボイス待望組が上位を占める形に。(ボイス待望組はボイスが決まるとだいたい翌年下がるという)後に、通常の総選挙とボイスアイドルオーディションと別れましたので、ある程度は当初の人気投票に戻ってきたのではないでしょうか。


デレラジ配信開始、シャイニーフェスタ発売

  2012年8月にシンデレラガールズ初のラジオ番組『ラジオシンデレラガールズ(仮)(島村卯月役:大橋彩香・渋谷凛役:福原綾香・城ヶ崎美嘉役:佳村はるか)』配信。今回は第0回として収録番組であったが9月より生放送番組に。第1回放送にて、番組名が『デレラジ』に決定した。10月には早くも公開録音イベントが開催され、公開録音パート後にはミニライブが行われた。

 2012年10月にPSP用ゲームソフト『アイドルマスター シャイニーフェスタ』発売。収録曲・アニメが異なる3タイトルが同時発売された。プロデューサーは坂上陽三・加藤正隆、ディレクターは石原章弘・押山萌香。アイマスの楽曲が収録されたリズムアクションゲームで、ライバルキャラとして、876プロ・961プロ・シンデレラガールズのアイドルが登場。

 2012年12月に765プロとシンデレラガールズ初の合同イベント『アイドルマスター シャイニーフェスタ+シンデレラガールズ スペシャルパーティー』開催。ライブコーナーでは、それぞれのソロ曲と、出演者全員での『THE IDOLM@STER 2nd-mix』が披露された。

<まとめ>
 シンデレラガールズのサービスが開始されてから、しばらく経ってようやくラジオ番組がスタート。そもそもサービス開始当初はシンデレラガールズのキャストが全く決まっていなかったので、ラジオ番組を作る話しすらなかったものと思われます。番組パーソナリティは、新人声優3名。ラジオ番組が始まった頃は、会話が途切れて「謎の間」が生み出されることが度々あったものの、この時の経験が今に大きく影響を与えていると思われます。この後も、アイマスのラジオ番組は、若手を育てる場として、各ブランドごとに作られていくことになります。(※後のデレパは除く)

 アイマスのライブの歴史の中で大きな意味があったイベントとして挙げられるのが、初の合同イベントとなった『アイドルマスター シャイニーフェスタ+シンデレラガールズ スペシャルパーティー』です。当時はまだ、シンデレラガールズが765プロの様に本格的にライブイベントを行っていくのかどうか見えていない頃。後に大きなライブイベントでも合同で行う機会が多くなっていきましたが、その転機となったイベントであったように思います。出演者は、初期メンバーである今井さん。アイドルマスターSPからの沼倉さん。アイドルマスター2からの浅倉さん。そして、シンデレラガールズからの大橋さん、福原さん、佳村さん、大坪さん。この4世代を出演者として、今後の道筋を立てる為に、いつかは行う必要があったイベントであったものと思われます。


ぷちます、ミリオンライブ配信開始

  2013年1月、4コマ漫画『ぷちます! -PETIT IDOLM@STER-』がアニメ化。ギャザリング制作。監督は『カッコカワイイ宣言!』を手がけたまんきゅう。短編アニメで、ニコニコ動画にて平日に毎日配信された。『ぷちます! -PETIT IDOLM@STER-』とは、765プロを舞台とし、登場するアイドルは変わらないが、ぷちどるというアイドル達に似た謎の生物との日常を描いた4コマ漫画で、元々は二次創作であったが後に公式化された経緯をもつ。2014年には第2期が配信された。

 2013年2月10日、ライブイベント『MUSIC FESTIV@L OF WINTER!!』開催。バンド演奏を取り入れた初のライブイベントとなった。昼公演ではアニメ『THE IDOLM@STER』劇場版制作発表、夜公演では新たなソーシャルゲーム『アイドルマスター ミリオンライブ!』配信が発表された。

 2013年2月27日、ソーシャルゲーム『アイドルマスター ミリオンライブ!』配信開始。765プロダクションの新プロジェクト『765プロライブ劇場』を舞台にしたアイドルグループプロデュースゲーム(シンデレラガールズと同じくカードゲーム)。従来の765プロのアイドル(13名)以外にも新たに765プロに所属したアイドルたち(37名)が登場。キャラクターデザインは田宮清高。カードデザインはアイドルマスターのアニメ製作でお馴染みのA-1 Picturesが担当。シンデレラガールズとは異なり、サービス開始当初から全アイドルのキャラクターボイスが決定していた。この利点を活かし、ゲーム内イベントやコミックと連動して、音楽CDをリリース。その楽曲はリアルライブで披露され積極的なメディアミックス展開が行われた。



<まとめ>
 ニコニコ動画で二次創作が作られ続けていた中、ネタとして公式に取り上げられたものは数あれど、二次創作から公式となった『ぷちます!』は、なかなか面白い存在だと思います。初期の頃からの空気感を今に至ってまで保ち続けている点においては、アイマスにおける、生きた化石なのではないかと思わずにいられません。

 シンデレラガールズ(Mobage)に続く、ソーシャルゲームとしてミリオンライブ(GREE)が配信。これはバンダイナムコとして多角的展開の一環というよりかは、シンデレラガールズの大成功を傍目にしていたGREEが、大きな1手として欲しかったタイトルであったのではないかと思われます。シンデレラガールズとの違いとしては、アイマスとしては本家となる765プロのアイドルが登場。そして、765プロの新しいアイドルが追加され、それぞれにボイスが実装されていました。ボイスが実装されていることもあって、CD展開がすぐに行えて、そのCDのリリースイベントが数多く行われていくことに。かつてのアーケード時代のアイマスの様に、アイドルとその役を担当する声優さんの成長を合わせて見守っていける。また1から765プロの物語が楽しめる。それがミリオンライブの特色でありました。


劇場版公開、合同ライブ開催、SideM始動

  2014年1月、劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』公開。公開日当日には新宿バルト9にて出演声優14名が登壇した舞台挨拶が行われ、この模様は全国の映画館にてライブビューイング中継された。その後も全国各地で舞台挨拶が行われた。

 2014年2月22,23日、ライブイベント『M@STERS OF IDOL WORLD!!2014』開催。765プロダクションのメンバーだけでなく、シンデレラガールズ・ミリオンライブ!のメンバーも数多く参加した合同イベント。シークレットゲストとして2日目には日高愛役戸松遥が出演した。1日目にはPS3用ゲームソフト『ワンフォーオール』のPV、ミリオンライブ!の1stライブ開催等を発表。2日目には新作ソーシャルゲーム『アイドルマスター SideM』が発表された。

 2014年2月28日、ソーシャルゲーム『アイドルマスター SideM』スマートフォン版配信開始。様々な職業を経て、理由(わけ)あって315プロダクション所属アイドルになった男性アイドル達をプロデュースするドラマチックアイドル育成カードゲーム。961プロから315プロに移籍したJupiterを含む個性的なアイドルたちが登場。キャラクターデザインはFiFS(曽我部修司、他)が担当。ミリオンライブとは異なり、サービス開始当初はアイドルたちのキャラクターボイスは未実装であった。2月28日にサービス開始したものの、アクセス過多の為にサーバーがパンク状態に。緊急メンテナンスが実施されたもののサービス中断状態が長らく続いた。3月31日に大規模な改修が必要と発表し、7月17日にサービスが再開された。



<まとめ>

 劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』公開。TVシリーズに思い入れがあれば、その延長線上にいる765プロのアイドル達の成長が端々に見られて、その都度感動させられる内容であったのではないでしょうか。古くからのファンでしたら、アーケード版からの主題歌『THE IDOLM@STER』がスクリーンで流れた時点、序盤も序盤で涙が混み上がってしまったのでは。あえて難点を挙げるとすれば、元々はOVA尺で作成していたものを映画尺に変更された内部事情が影響したのか、2時間という長尺の中でのテンションの上げ下げを、もう少しうまくできていればなと感じました。しかし終盤、その全てを解決してしまう1曲『M@STERPICE』を用意できた事により、細かい事がどうでもよくなってしまう状況にもっていかれることは本当にずるいなと思うばかり。アニメーション制作に関わった全てのスタッフの想いがこの『M@STERPICE』に集約。この作品で何を伝えたかったのかを、最後のライブステージシーンで全て物語ってしまう大技を繰り出されてしまうものだから、この大団円に納得せざるを得ないのです。

 合同ライブをアイドルマスター単独として初の使用となる大型会場、さいたまスーパーアリーナにて開催。合同ライブ自体はアイドルマスターのお祭り的なものであったのですが、アイマスライブの歴史という観点からすると重要な役割を担っていたライブであったと思います。このライブをキッカケとして、シンデレラガールズ、ミリオンライブのライブ活動が本格始動をすることになり、数ヶ月後にはそれぞれの1stライブが開催されました。この合同ライブに参加したメンバーが主軸として、それぞれのライブイベントを盛り上げていくことになるのでした。

 2014年2月にサービスを開始した『アイドルマスター SideM』。サービス開始時の注目度が非常に高かったものの、サーバーダウンが起こり、そのままメンテナンス期間へ。5か月後の7月にようやくサービスが再開されましたが、この5か月という期間は結構大きかったようで、2月に感じた勢いはあまり感じられず、時期を逸した形となりました。最初の勢いのままスタートを切れれば最高だったのでしょうが、あとから知ったことですがSideMの制作スタッフは少人数だったそうで、体制自体に問題があった様です。時期を逸したことは残念ではありましたが、徐々に徐々にとステップアップしていきます。当初はキャラクターボイスが実装されていませんでしたが、2015年からユニットごとに実装され続け、ラジオ番組放送開始、CDシリーズのリリース開始等、大きな動きを見せ始めます。2015年12月には1stライブが開催され、これまでのアイドルマスターシリーズと同様の動きが、たった1年間のスパンの中で見受けられました。男性アイドルが登場するゲームですので、女性向けと思われがちですが、実際に1stライブに参加してみましたら、女性だけでなく男性にも受け入れられていることが実感できました。これは、これまでのアイドルマスターが男性に受け入れられていることと、『ファン』という立場とは違う『プロデューサー』という立場だからこそ起こる現象なのでしょう。男性ばかりが出演するライブに、男性が結構な割合で混じっているというのも面白い話で、男女関係なく楽しめる稀有なタイトルとなりました。


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